前書き
会社のSlackでおすすめされていて気になっていたので読んでみた。 それぞれの章が具体的なエピソードの後に解説という組み立てになっており、まさに本書で書かれている相手に納得させる手法で書かれていて非常に良い本だった。
読書メモ
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紙に落ちない主張はいかに話術に長けていてもうまく説明できない
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紙に落ちない主張をすらすらとプレゼンしている人がいるとすれば、うまくごまかしているというだけ
- 頭の中の考えを紙やドキュメントに書き出そうとすると、うまく言葉でアウトプットできないのはあるある。
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互いに違う経験を持つ人たちがわかりあうのは難しい
- だからこそ論理立てて説明することが重要
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開発という言葉も、5年かけて商品を生み出す開発もあればWeb業界のように短いサイクルで開発を行う場合もある。だからこそ縦と横に論理がつながった状態の説明が重要。(因果関係とカバー範囲)
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納得しない場合の反応は2つしかない
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「本当にそうなの?」「それだけなの?」
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「本当にそうなの?」は縦の論理、つまり因果関係の説明が足りていない
- 縦の論理には、どこまで説明をするのかの深さがある。因果関係の結果の部分は変わらないが、人によってそこに至るまでの深さは変えるべき。
- 本の例だと、路上駐車は迷惑だ。という説明に対して、以下のような細かい説明もできる。この細かい説明をできるように準備しつつ、伝える際は必要な部分を説明するのが良い。(全ての要素を説明すると、長いし理屈を永遠と喋る人になってしまうので。)
- 通行車両の妨害
- ドライバーにとって迷惑
- 渋滞を引き起こす
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「それだけなの?」は横の論理、つまりカバー範囲の問題である。
- 「全体」がわからないと「漏れ」を発見するのは難しい。相手によっても全体は変わる。例えば経営層と現場の営業マンなら、全体の感覚が違うだろう。こちらも、できるだけ広く細かい論理が組めるようにしておくことが重要
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論理的かどうかは相手が決める
- ここまでの説明で、縦の論理と横の論理は相手によって、どこまで説明するか、漏れがないかは変わってくることは明確である。つまり、論理的かどうか決めるのは相手がボールを持っていることがわかる。自分が論理的な人間だと信じて、自分の提案が通らないのは相手に論理的思考力がないからだというのは自己成長を妨げる例。
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論理思考そのものは手段であって目的ではない。それだけで全てが解決できると思ったら大間違い。相手の疑問に答えない限り、いくら論理的に説明しているつもりでも相手は納得しない
- では相手の疑問に答えるには?
- 相手の疑問を知る
- 次にその質問に答える
- シンプルだが意外とできていない人が多い
- では相手の疑問に答えるには?
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疑問に答えることができない場合は2パターン
- 絨毯爆撃
- 相手の疑問がわからないので考えられうる全ての疑問に応えようとする。相手からすると、情報量も多く、経営層など時間がない人たちにとっては無駄な時間
- 根拠なき断言
- そのままだが、論点はわかったが仮説検証ができずに当てずっぽうで答えてしまうパターン
- 絨毯爆撃
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議論のスタンスは「何か意思判断をしてもらいたい」「単に聞いてもらいたいだけ」のどちらか
- いうまでもなく意思判断をしてもらいたい場合の方がビジネスでは多い
- 相手がどちらもモードで話を聞いているのか、自分はどちらのモードで話すべきなのかを見極めることが重要
- 「単に聞いてもらいたいだけ」が無駄かといってもそうではなく、相手が内発的な動機から動き出す状態に持って行けたりと、十分な効果がある。双方ともに重要
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理解を示したかどうかは自分ではなく相手が決めること
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論点とは、検討することでより良い意思決定ができる項目
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論点を外すパターンは4つ
- 議論のスタンス違い
- 相手の要望の組み違い
- 具体的な判断項目が出せない
- 相手がすでに答えを持っていることを繰り返す
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これらのパターンに陥らないためには、アナログ的なスキル(相手の話に理解を示す)も重要
- 提案を行う全ての人間は公式にも非公式にも「あらゆる手段」を講じて相手の考えをよく理解しておくと同時に論理思考力を磨いておかなければならない
- 縦横の論理の組み立てだけでなく、相手への理解などももちろん重要あらゆる手段
感想
横の論理と縦の論理の概念は印象的だった。因果関係だけで論理的に説明できるわけではなく、全体を網羅している視点も重要なのは普段からも意識したい。 そのためには普段からのインプットが必要だろう。「論理的かどうかは相手が決める。」このスタンスも大事にしたい。